2013年9月3日火曜日

ローゼンメイデン 第九話

第八話の感想を書いたところだが、第九話である。
この話は、既に東京でも見た。

斉藤さんが所属する劇団の公演に来たジュンと、小道具として出演することになった真紅。
そして、そんなふたりを追い暗躍する水銀燈……と思いきや、水銀燈は早くも表に出てきた。
ジュンの隣に座る水銀燈だが、これはなんとも危なっかしい。声を潜めたりせず、普通に話していたが、大丈夫なのだろうか?
公演の方は、真紅がひっぱられて不機嫌になったりしつつ、無事に進む。時間軸を超えて受け継がれる、人形の記憶をめぐるストーリーは、ローゼンメイデンの境遇に通じるものもあるが、それは重要なことではない。
ハリボテの時計が鳴り始めると同時に、まいた世界とまかなかった世界が重なり、遂に雪華綺晶がその姿をあらわす。
ここからはバトルパートに移るわけであるが、やはり水銀燈が動くと、迫力がある。真紅のローズテイルも華やかな技ではあるが、黒い塊となった翼を振り乱し、無数の白いイバラとぶつかりあう様は、真紅の技には無い暴力的な迫力があるのだ。やはり、巨大なものどうしをぶつけあうような闘いは格好いい。
そして、そんなバトルの中で明かされる雪華綺晶の目的。彼女は、ローザミスティカを手に入れてアリスになるのではなく、飽くまで人形のまま、どんな姿にもなれるような存在となること。バラバラの7つをあわせて1つにするか、1人が7つを持ちあわせて使い分けるか。ある1人が、ほか全ての特徴を手に入れるという点では同じでも、その方法が全く違っている。確かに、他のドールズが前者であるなか、ただ一体だけ後者の目的を持つ雪華綺晶は、水銀燈からすれば”壊れている”のであるが、それだけの意味ではないだろう。水銀燈にとって、雪華綺晶は、めぐというかけがえのない存在を奪った張本人なのだ。その怒りを込めて、この言葉を放ったのだ。敵とはいえ、同じ人形として、あくまで同じ地平に立って戦おうとする宿敵たる真紅には、嘲り貶すときに”ジャンク”という言葉を使うのに対し、雪華綺晶にはもっと直接的に「壊れている」と言い放ったのは、そこに込められた敵意を表しているような気がする。
ともあれ、凄まじい戦いが繰り広げられる中、遂に水銀燈自身の口から、真紅との共闘が宣言された。天邪鬼な答えを持って肯定を示すのではなく、直接的に、共闘を宣言したのである。宿敵と手を組んでまで倒すべきは、怨敵ということだろう。
そんな中、遅れてやってきたヒロイン、翠星石が到着。真紅と水銀燈の攻撃から雪華綺晶を守る彼女は、雪華綺晶のボディが蒼星石のものであることを明かす。
というところで、次回に続く。

絵本は、三体目の人形を使って、憧れのスターに出会う場面が描かれた。恐らく、この調子で、女の子が好き勝手な願いを叶えていくのだろう。
その過程で、あるいは、その果てに何が見えるのか。全ては、七体目の人形が開かれる時に明らかになるのだろうか。

エーテルやアストラルという、物理学の用語らしい言葉が随所で使われているが、これは物理学というより、錬金術を意識しているのではないかと思う。
思えば、ローザミスティカなんていかにも賢者の石であるし、ローゼンメイデンという”作られた命”は、ホムンクルスに通じるものあがある。
残念ながら、ローザミスティカの正体は、未だ原作でも明らかになってはおらず、原作の最後で語られるのかもしれないし、永遠に謎のままなのかもしれない。

さてさて、今回は、二体のドールが本格参戦した。
と言っても、雪華綺晶は以前から名前だけでなく姿も出ていたので、視聴者としては決して新たな登場人物というわけではない。表舞台に姿を表したというだけだ。
一方、翠星石の方は、一話以来の登場となる。かつてはツンデレオブザイヤーまで取った超人気キャラで、一時はツンデレの代名詞とまで言われた伝説のキャラクターであるが、流石に大学生のジュンにまでチビ人間呼ばわりはできないらしい。早速ツンな部分を垣間見せてくれた彼女であるが、まずは妹を助けるお姉さんとしての活躍が先である。どこまでも妹思いで、蒼星石を守るため、独自の立場で闘いに介入した彼女は、次回以降どのような動きを見せるのか?要注目である。
ところで、雪華綺晶は他の姉妹たちを、そのドールの色に薔薇を付けて呼ぶのに対し、翠星石にだけは翠のお姉さまと呼んでいた。青い薔薇も作られた現代であるが、実は、緑色の薔薇だけは、何をどうしても作れないことが立証されてしまっているらしい。蒼と翠というのは、科学によって作られた色と、科学によって否定された色でもある。そう考えると、この双子はなんとも皮肉な存在に思えてくる。蒼のほうが否定的で、翠のほうが肯定的な性格をしているのだから、なおさらである。

今回は、冒頭に金糸雀が出てきて、みっちゃんから教わったパソコンのトラブルシューティングを披露してくれたが、見事に空振りであった。
この子だけは、どんな状況でもズッコケていて、見るものを和ませてくれる。まさに清涼剤というところであるが、この後でちゃんと格好良く活躍することになるので、その点も期待しよう。

提供バックは、uki先生の描いた双子。
アオハルの表紙や、つり球のキャラクターデザイン、センコロールの制作でおなじみの方である。
まさか、先生の描いた蒼星石が見られるとは思わなかった。
双子でそれぞれ違う目でウインクをして、おそろいの緑色の目線をくれる、なんともチャーミングなイラストだった。
提供バックとともに気になるのは、次回予告。ついに殴られてしまった店長だが、果たしてこの後店長はどんな目に会うのか。前々回で少し雰囲気が重くなりかけたが、ふたたびこういう雰囲気にもどって安心であるものの、店長の行く末を考えると不安である(笑)


ここから私事であるが、本日、かつて通っていた高校の校長の葬儀に参加した。
85歳という年齡で、最期は家族や教職員に囲まれながら眠るように逝ったということであるから、大往生である。
先生の人徳を表すような、多くの方が参列する、とても立派な葬儀であった。
その中で、かつての恩師と久しぶりに再会し、様々な話をした。
葬儀というものは、故人との別れの儀式であると同時に、その人との繋がりを再び呼び起こす儀式でもあるらしい。
先生が居られなければ、今の私は無かったと思う。せっかくなので、先日の院試の合格を報告しつつ、これまでのことを感謝するとともに、ご冥福をお祈りした。


 
今日の絵は翠星石。
なかなかかわいく描けたと思う。

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