今日、ローゼンメイデンの第二話がMBSで放送された。
今回は、ヤングジャンプ連載版に入り、ジュンが置かれている現状や、雪華綺晶の脅威が説明されるところまでであった。このペースだと、大学生編までがアニメ化するようだ。
それにしても、アニメで改めてこの話を見て、ジュンも斉藤さんも、そして店長さえもが、とてもシビアな現実の中で生きていることに驚いた。大検を取って三流大に進んだジュン、大学には進まず夢を追う斉藤さん、そして、これまた大学には進まず、街の本屋さんを経営する店長。今の御時世、ある程度以下のレベルの大学では卒業しても就職が難しいことはよく知られたことだし、ましてや大検となると条件も悪くなるというものだろう。役者という夢を叶えることが、どれほど難しいことか、想像に難くない。大型書店に圧倒されて潰れていく街の本屋さんたちに哀愁をおぼえることも少なくない世の中になった。誰もが、とても不安定な中に生きている。そこには、ローゼンメイデンの人形たちが織りなす、耽美的な世界観とは程遠い、余りにも巨大で強固な現実が聳えている。
ローゼンメイデンという作品は、一見すると可愛い人形たちが織りなす耽美的で退廃的な世界を描いているようにみえるのだが、その実、人形を取り巻く人々はその絶対的な現実を我々読者へと訴えかけている。
私事になって申し訳ないのだが、ローゼンメイデンがヤングジャンプで連載され始めたとき、つまり2008年の4月という時に、私は絶望の中に居た。勉強しかしないような高校時代を送ってきたのに、大学に全て落ちてしまい、失意の中で浪人生活をスタートしたところだった。ただ、そんななかでも、ローゼンメイデンが始まったことで、少しだけ勇気が出てきたような気がして、またがんばろうと思えたのだ。
結局、大学に受かるまでに、二年かかってしまった。高校時代のように頑張ることが、むしろ失敗に繋がる気がして、何も出来ず、動き出せなかったのだ。それでも、私は戦うしか無かった。そして、決して勝利とは言えないまでも、少なくとも命だけは拾ったような結末、大学への合格がかなった。
そう、私は二浪している。ある程度名前の通った大学には進んだが、殆どジュンと似た状況、ヘタすれば彼よりもかなり不味い状況にあると言える。それでも私が頑張ってこれたのは、ジュンの元に届いたのが蒼星石であったからだ。私が一番好きなドールが、彼のもとに届いたからだ。
なぜPEACH-PIT先生が、ジュンの元へ蒼星石を届けたのかはわからない。いや、それは物語的に都合が良いからにほかならないのだが、しかし、そういう風に物語が進んでいったことには、なにか意味がある気がする。決して社会的に成功していない彼に、大学進学というタイミングでミスをした彼のもとに蒼星石が訪れたというこの展開に、私はとても勇気づけられたのだ。
さて、話は脱線したが、今日のローゼンメイデンは、これからの展開を予感させるお話であったと思う。原作未読の方は、前回の怒涛の展開に対して余りにも動きのない話に驚いているかもしれない。
そして、忘れてはならないのが、提供バックが蒼星石であったという点。主役のジュンでも、今回初登場の斉藤さんでも、この作品の顔とも言うべき真紅でも、一番人気の水銀燈でもない。今回は一切登場していない、蒼星石。ここで彼女の絵を持ってくることを許可したスタッフの方から、ローゼンメイデンという作品への愛を感じた。本当に有難うございます!
今回は、初登場の斉藤さんを描いた。
こんな女子力を魅せつけられては、ジュンなどひとたまりもないだろう。
ところで、この斉藤さん、PEACH-PIT先生が描かれるキャラの中では、かなり頭がデカイのが特徴だと思うが、いかがだろうか?これが、設定年齢の割に幼さが残って可愛らしく見える秘密だと思うのだ。
しかし、絵を描く以上は、もっと人体を描く練習なんかもしないと……人間を描くと、やはりドールを描く時よりも、違和感が顕著になってしまう。
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